2017年06月21日

ジャッジメント



 物語は「復讐法」が施行された近未来の日本。
 「復讐法」とは、被害者の親しい人が被害者が受けた仕打ちと同じ事を行うことができるというもの。
 裁判では、従来の刑法に基づいた判決と復讐法の適用が言い渡される。
 被害者の近しい人から順番に「復讐法」を選択し、自ら手を下すかどうかを問われる。
 「復讐法」が選択されなかった場合、刑法に基づいた判決が確定するというもの。
 「復讐法」に基づき刑を執行する人のケアから、刑の執行までを見届けるのが「応報監察官」であり、この物語の主人公。

 被害者や一般民衆の感覚から程遠いということから始まった「裁判員制度」ですが、人を裁くということの高い負担を実感し、辞退する人が続出しています。
 「復讐法」のキモは被害者の親しい人が「応報者」として自らが手を下すというところ。
 苦しんで亡くなった息子の無念を晴らすという強い思いが満たされる反面、それを自らの手で行い、苦しむ姿を眺めることは、普通の感情を持つ人間であればとても苦しいものであることも想像できます。

 「復讐法」は民衆の欲求を満たすための究極のソリューションなのか。
 この本はそんな思考実験の場です。

 読んでいて、つらかった。

☆☆☆☆
ラベル:小林由香
posted by KOZO at 07:33| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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